離職率はどのように捉えれば良い?離職率の調べ方は?

turnover

就職活動や転職活動をする時に、職場選びのポイントとなる離職率。
この離職率という数字にかなり敏感になって就職活動をしている人ってたくさんいるような気がします。

一応離職率の説明をしておくと・・・
「入社してから一定期間後、例えば1年後や3年後にその職場を辞めている人の割合」
ということを指しています。

この数字が大きい場合、入社した人は次々と辞めてしまいがちであり、逆に小さければ入社した人は定着しやすいということですね。
つまり、離職率はその職場の働きやすさを測る判断材料のひとつになり得る訳です。

職場の雰囲気や体質なんてのは、実際にそこで働いてみないと分からないところが大部分。
しかしいざ入社してみて「聞いていたのと全然違う!」「残業なんてほとんど無いっていってたのに残業しまくりじゃんか!」というミスマッチはなるべく避けたいところ。

だから離職率を考慮して、事前に職場環境の良し悪しを推測するんですね。
「離職率が高いところは、会社として何かしらの問題があるんじゃないか・・・」
ってな感じで、就職先候補から除外していく訳です。

やっぱり数字ってデータとして信憑性がありますからね。
離職率然り、しっかりと就職先の情報を集めるというのは満足のいく就職をするためには欠かせないことでしょう。

ただ、離職率が高いところはなるべく避けて離職率が低いところを狙っていけば、必ずしも優良企業に就職できるかといえば、そういう訳ではないんですよね。
今回はそんな離職率にまつわるお話です。

業界によって離職率は大きく異なる

業界によって働き方や文化が異なるように、離職率にも大きな違いがあります。
特にIT業界では人材の流動性がかなり高くて、3~5年程勤めたら転職してキャリアアップしていくのが当たり前の世界。
10年も居続ければ、その職場内で最年長の社員になっていることもあるみたい。

それゆえに、IT業界では離職率が高いのが普通なんです。
だから離職率を見たところで、”働きやすさ”の情報は掴めない。
ドロップアウトして離職したのか、キャリアアップのために離職したのか、それを確かめる術はありませんからね。

じゃあ一体離職率のどこを見て判断すれば良いのだろうか?
それは業界の平均離職率と候補先の離職率を照らし合わせ、その差に注目してみればわかるはず。
つまり・・・

業界の平均離職率から大きく逸脱する離職率を叩きだしている企業は危ない。

業界毎の平均離職率を把握しよう

業界毎の離職率を調べるのはとっても簡単。
「厚生労働省 離職率」で検索すれば一発で出てきます。
離職率を重視していない人でも一度見ておくことをオススメしますよ!
見るだけでもなかなか参考になります。

この検索で出てくるデータというのは厚生労働省が毎年調査しているもので、各業界の就職者数と離職者数を集計したものです。
離職者数は3段階に分けて統計されていて、3年以内・2年以内・1年以内とそれぞれ分けられています。

これを見れば、3年以内にどの業界でどれだけの人が離職しているのかが一目瞭然。
特に1年以内で辞めている人数が多い業界は闇が深いといえるでしょうね・・・。

ここで簡単に紹介すると、3年以内の離職率が高い業界は・・・

  • 「教育・学習支援」
  • 「宿泊業・飲食サービス業」
  • 「生活関連サービス業・娯楽業」

上記の3つが、離職率50%前後とものすごく高い数字を叩き出しています。
実に2人に1人は3年以内に辞めてしまっているんですね。
この辺はブラック企業って呼ばれるところが多い業界でもあります。

ちなみに大学新卒が3年以内に職場を辞める割合は32.3%。
これと比較してみても、この辺の業界は危険というのが伺えます。

一方、離職率が低い業界は・・・

  • 「鉱業・採石業・砂利採取業」
  • 「電気・ガス・熱供給・水道業」
  • 「製造業」

上記の業界は10%前後の離職率で、上位と比べると圧倒的に低い。
ただ製造業に関しては、製造品目別に見ると離職率にかなりばらつきがあります。
中でも食料品製造業は少し離職率が高めですね。
まあ上位と比べればそれほどでもないけど・・・。

ここで注意して欲しいのが、これらのデータは新卒で入社した人を対象にした調査結果なので、中途採用などの転職組は含まれていません。
それでもかなり説得力と信頼性のある情報といえるでしょう。
業界が違うだけで離職率が40%以上も異なるというのは、知っているか知らないかで就職活動の内容がかなり変わってくるんじゃないでしょうか。

こういう離職率の高い業界というのは、業界の構造自体に何かしらのブラック体質を孕んでいる場合が多い。
例えば営業時間が長過ぎるが故の拘束時間や残業時間の長さだったり、年中無休が故の休日の少なさだったり・・・。
薄利多売であるが故の低賃金だったり、それら全てが負のスパイラルになってしまって慢性的な人手不足になっていたり・・・。

どうしても解消できない大きな大きな歪みが、平均離職率の高い業界には存在しているのでしょう。
そういった平均離職率の高い業界に就職するのなら「キツイだろうなー」ぐらいの心構えはあった方が良いでしょうね。
むしろ「限界だと思ったら辞めてやる!!」くらいの気構えでも良いかもしれません。
これだけ離職率が高いということは、逆に言えばそれだけ転職への道が残されているということでもあるのだから。

ただそういう場合であっても、必ず情報収集をしてまともな会社なのかどうかをきっちり調べるべき。
どんな職場でも多かれ少なかれブラック体質はあるものだけど、中には社員を大切にする温かい会社もあるかもしれません。
もちろんコンプライアンスも何もなく、まともに働ける職場ではないところだって中にはある訳ですが・・・。
そのリスクを少しでも下げるために行動することはとっても大切なこと。

離職率が低ければ良いのか

これまで説明した通り、やっぱり離職率が高い業界は要注意です。
しかし離職率が低い業界なら安泰なのかといえば、実際はそうでもない。

先に紹介した離職率のデータは、卒業後に新卒として就職した若年者が3年以内に離職した割合です。
離職率というのは年齢が上がるにつれて低くなるもので、若年層が辞めないのなら当然年配層も辞めません。

すると人材の入れ替わりがあまり行われないために、組織が古い体質を残したままで効率の悪い仕事をしているかもしれない。
つまり、停滞状態に陥ってしまっている職場もあるということです。

また職場がいわゆる「ぬるま湯」の環境になっていて、仕事に対する意欲が低く惰性で働いている人もいるかもしれない。
やる気も活気もなく、最低限の仕事をこなすだけに成り下がってしまった連中が多い職場だと、仕事にやりがいや誇りを持って頑張ろうとする若者にとっては苦痛でしょう。
別に仕事に対してそういった気持ちがなくても、そういう環境に身を置くと知らないうちに自分にも悪影響があるものです。

その「ぬるま湯」の職場で働いていても、大した経験やキャリアを積めず、年を取るにつれて自分の人材価値が低くなっていく・・・。
ようやく気付いても時既に遅し。

つぶしが利かないから転職もできず、その会社に居続けるしかないから結果として離職率が低くなっている。

こういったことから、離職率が低ければオールOKという訳ではありません。
働きやすさの面では離職率が高いところよりも遥かに良いかもしれませんが・・・

  • なぜ離職率が低いのか
  • 企業の評判や体質はどうなのか
  • そこで働くことで自分の人材価値を高められるのか

離職率の高い低いというのは確かに就職先を見極めるのに役に立ちます。
でも離職率に固執するのはやめた方が良い。
離職率以外にも情報収集を怠らず、総合的に企業を判断して就職先を決めることが、良い職場選びには欠かせないことです。

志望企業の離職率の調べ方

しかし離職率なんて情報は調べてもなかなか出てこないですよね。
インターネットで探してもまず見つからない。
まあ企業としてもなかなか表には出さないデリケートな情報ですからね。
簡単には手に入りません。

でも手に入れる方法はちゃんとありますよ!

1.就職四季報を見る

東洋経済新報社が出版している「就職四季報」という本に企業の3年以内の離職率を含む色々な情報が掲載されています。
一番手っ取り早く色々な企業の情報を手に入れることができるので、まずはこれをあたってみると良いでしょう。

ただ掲載されている企業が大企業~中堅企業までなんですよね。
中小やベンチャー企業の情報はほぼ載っていません。

まあでも就職希望の企業情報が掲載されていないとしても、大手企業の実際の離職率なんかは見るだけでも参考になると思いますよ。

ただし、離職率を公表していない企業も中にはあるので注意。
まあ公表しないってことは良い数字じゃないから公表しない訳で、そういう企業については離職率は高めだと認識して問題ないでしょう。

2.情報を持っている人に聴く

その業界に詳しい人とか、かつてそこで働いていた人などなど、何かしらのツテがあるのなら頼ってみよう。
最もリアルで参考になることを教えてくれるでしょう。

企業の口コミサイトとかもありますが、誰が書いているかもわからない上に真偽は測り知れず、少々信憑性に欠けます。
個人的にはあんまりアテにしない方が良いと思いますね。

しかし知人にたまたま詳しい人がいるなんてことはほぼ有り得ないし、これは誰でもできる手段ではないですよね。
そこでオススメなのが、転職エージェントに離職率について尋ねてみること。

転職エージェントも求職者に紹介した就職候補先を悪く言うようなことはしませんが、基本的に聞かれたことにはしっかり答えてくれます。
特に中小企業やベンチャー企業など無名企業の情報は、そこと業務提携している転職エージェントぐらいしか情報を持っていないでしょう。
きちんとした数字まではわからないとしても、大体どれくらいかは把握しているはずです。

聞く時は「新しく入った人はどれくらい続けていますか?」と、ポジティブな感じで聞いてみると情報を引き出しやすいですよ。
正確な情報じゃなかったとしても、そもそも離職率なんてのは最初から判断材料のひとつに過ぎないのだから、大体の情報でも十分参考になります。

何の情報も得ずに手当たり次第で就職活動をするよりは、情報収集をして就職活動をした方が絶対に良い。
特に各会社の離職率に関しては手に入りにくい情報だけど、転職エージェントを利用すればおおよその離職率を含め様々な情報を手に入れることができる。

就職活動は用意周到に準備すればするほど有利に事を進められます。
手を打てるところは全て手を打って、理想に近い働き方ができる職場を見つけましょう!

コメントを残す